武蔵野美術大学へのAO入試を終えて課された入学までの課題で、実際に 良品計画 ソーシャルグッド事業部 林 高平 さんにインタビューを行い、まとめた課題。
レポートということで、文字情報がどうしても多くなってしまうが、入学後のプレゼンテーションのため、プレゼンしやすいデザイン構成を考えた。
MUJI は捻くれているから。
今回、良品計画 ソーシャルグッド事業部の 林高平 さんにインタビューを行った。MUJi のイメージは シンプルで無駄のないデザイン、そして、良いことをする会社だ。そこで、企業の社会的責任、CSR という言 葉がある。無印は CSR の極みのようなビジネスをしているように感じた。でも、インタビューに答えていただく中で CSR という言葉は出てこなかった。そこで聞いてみた。
しかし、答えを聞いていくうちにその実際の活動に頭が行ってしまった。 でも、そこで気づいた。無印は CSR を意識せずに、ただ良いことにトライしてこうとしている。 そのように林さんにお伝えしたところ、「それちょっと違う」といった反応 ....。
「MUJI は、捻くれてるんだよね。まぁ私だけかもしれないけど笑」 なるほど。180 度捻くれて結局、いいことをしている会社。それが MUJI か。
CSR(企業の社会的責任)とは
利益追求だけでなく、社会への影響に責任を持つこと。 そして、ニーズに対し、適切な意思決定ををする責任を指すこと。
Antithese - 社会へのアンチテーゼ -
アンチゴージャス・アンチチープ
MUJI が広まったのは「割れしいたけ」という商品。高くもなく、安っぽくもない、 ちょうどいい品質と価格。を大切に商品開発を行っている。今では当たり前のこと かもしれないが、バブルの中で MUJI がその文化を始めたとも言える。その頃は西 友のプライベートブランドとして作られ、食品を扱っていた。
大企業被害者を採用する
西友という大手からの始まりではあるが、大企業によって仕事を奪われつつある 場所を支援するという形で、地域の活性化を行う。すでに豊かな場所に手を出すの ではなく、す廃れた地域を立て直し、そこで商いを始める。廃れた場所を見て、何かできないかと考える、それが無印の店舗。
Reality - 現場感を持つ -
泥臭くなる
企画をするときには、企画者が現地で活動する。当たり前のようで、それは当た り前ではない。地域のイベントなどは店舗ごとでの企画、現地で感じたことへの サービスをその場で考えて、提供する。そして、もっと改善するところを感じれば またそこを改善する。そのために商品を利用するといった側面もあるそうだ。
若い会社でいる
大手になるとどうしても、自分の領域を狭めてしまう。しかし、MUJI は「暮らし に関わる物全て」を自分たちの領域だと思い活動してる。そして、ライバル企業は いないという。ニトリなどは家具の点では近いが、モノではない地域の再建などの 生活の全てを商いとして捉える気持ちを忘れないことを大切にしている。
MUJIの活動
MUJI はモノを売っているように感じるが、そのお店の地域づくり自体に取り組んでいる。MUJI を中心にどう人の流れを作るか。普 通のお店だったらそんなことはできない。しかし、MUJI は人の暮らしに関わるところは全て自分たちの領域だという意識でいる。発 展していない場所が MUJI の活躍する場所となる。モノに限らないことのデザイン。それが MUJI の活動なのかもしれない。
空間を再建する。
UR と協力し、無印の家具などの商品を使って部屋をリノベーションし、団地の価値を上げる。そして、その団地の近くの商店街に MUJI の店舗を置 くことで、地域全体を活性化していく取組。その中で、「りんじんとのリアルでの交わりが少なすぎる」などといった、社会全体の問題点を少しずつ改 善するために、共同利用スペースなどを作成したりしている。
その一つとして、MUJI Labo があり MUJI の研修などで使うことで、MUJI 社員は登録だけすれば無料で利用できるようなシステムになっており、 さらに商店街の MUJI 店舗のイベント会場として使うことで、地域の人に受け入れてもらうような空間デザインをしている。
参加者に企画させる。
企画を迅速に行うために MUJI は店舗ごとに企画をし実行していくそう。しかし、それだけの少人数で どのように企画しているのか。それは参加者に企画させることだった。団地再建のために、地域再建に取 組、そのために商店街の再建をする。そして、一回目は MUJI が企画をし参加してくれた人たちに何をし たいのかアンケートを取る。その答えが実現したとき、その人は確実に参加してくれる。
人の動きをデザインする。
捻くれた結果、本当の意味で CSR を体現している。それが無印。
提案:本当に性別が限定されないということは、全く気にせずに、誰でも同じデザインの服を着れること。
男女で、スカートとズボンの指定がない制服など、最近 LGBT に対する社会の意識の変化が起っている。しかし、この服は自分が特別な存在だから、この服を着る、着れるという物。 でもそうではなく、あくまで MUJI ブランドという一般的な立ち位置で、普通に気にせず誰でも着れる服。もちろん物理的な性別によるサイズ感の違いがあるが、その前にサイズ感 個人差が大きい。だから、そのような面でも性別に限定せず、誰でも同じデザインの服を着れる服を提案したい。
サイズ
縛られないと行っても、物理的に体の各部分のサイズは違う。 新しいサイズ表記 (A,B,C など)で、今までのサイズ感をなくす。 しかし、性別に限らずサイズは個人差が大きいため、 ゆとりのあるデザインにすることで、身長による表記にする。
デザイン
「かわいい」「かっこいい」のどちらかに表現できるから、性別が限定される。 MUJI らしいシンプルで飾らないデザインにする。 体型などの問題を回避するために、ゆとりのある設計。 また、流行りがなく、毎年季節ごとに出さない破棄する必要もない。
コスパ
ターゲット層が広い分、価格を抑えられるようになる。 費用面 , デザイン面でもコストが削減できるため、 機能の比重が大きくなり使い勝手の良い商品に。 また、運営的にも利益回収率は高くなる。